父母ヶ浜のほとり

曇天の土曜日の午後。西条から東に向かって、車を走らせること1時間ちょっと。
香川県三豊市に到着。この辺はお寺も多いようでお遍路さんもよく見かけた。

今日の目的は建築家・堀部安嗣さんが設計された建物を見せていただくこと。(施工:菅組さん)

ひっきりなしにたくさんの方が訪れ、感嘆の声が漏れていた。
堀部安嗣さんの作品は作品集でしか拝見したことがなかった私にとって、
実際に見るという体験ができたのは貴重な時間だった。
天井の高低、明と暗のゾーニング、居心地のよさなど作品集からだけでは
伝わらない部分を感じることができた。

堀部安嗣さんの本にはこう書いてあった。

「私は常々、建築を設計する時は、“知”の前に“情”が存在していなければ
いけないと思っている。それは喜び、慈しみ、愛しさ、穏やかさ、良心といった

人の“正”の感情だ。“なにをどうつくるか”から建築を始めるのではなく、
“なにを思い、どう感じるからなにをつくるか”という問いから建築を
始めることを心がけている。
(引用:Architecture 堀部安嗣作品集 1994-2014全建築と設計図集より)

私のように設計という「知」はない者でも、いたく感銘を受けるのは、
堀部安嗣さんの「情」が込められ、それが伝わるからだろう。

この建物は3月から菅組さんのモデルハウスとしても民泊としても
利用できるとのこと。日本の夕陽百選にも選ばれている父母ヶ浜(ちちぶがはま)が
広がる美しいロケーションなので、ご興味のある方は是非!

眼下に広がる砂浜を見た観察隊1号・2号は、解き放たれた仔犬のように
海に駆ける駆ける。

あいにくの曇り空&寒い日だったが、貝殻を拾ったり、砂遊びをしたりと
堪能した様子。西条の海は埋め立てなので、砂浜がよほど珍しかったのだろう。

今年の夏は川遊びばかりでなく、海遊びもさせてあげねば。