虹を待つ

こんなに冷房を使わない夏は記憶にない。雨、雨、雨。
庭の草木も「雨でもうお腹がたぷんたぷんだ」と訴えている。
長い長い雨は、昨今の閉塞感を色濃くしているようにも思える。
ちょっと光が射す時間があると、眩しすぎて目が開けていられない。
まるで冬眠から覚めたカエルの気分だ。

お家時間を楽しく過ごすため、、というわけではないが、最近買った
お気に入りをご紹介。

紀州産の棕櫚(しゅろ)ほうき。
数百年の歴史があるといわれている伝統的なほうきで、
油分が多いためフローリングのワックス効果もあるらしい。
機能的なのに、その佇まいは壁に立てかけるだけで絵にもなる。

ずっしりと詰まった棕櫚の束を床に滑らせたら、細かい埃たちがさっと集まる。
そして、床を掃いているときは、我が家のフローリングを
張ってくれていた大工さんの汗にまみれた姿を思い出し、
ますます家に愛着が湧くのです。
丁寧な仕事をしてくれた大工さんへの敬意も込めて、心を込めてほうきを
滑らせる。スッススーと。

いろんなものが電動化されている世の中だけど、私には
ほうきで塵を集める、雑巾がけをする、洗濯物は天日に干すという
昔ながらのスタイルの方が性に合ってるなぁと思う今日この頃です。

このほうきで閉塞感漂う空気も掃いてしまいたい。
もう少しがまんして、虹が出るのを待つといたしましょう。