四国山脈を望む家その7(内部壁・階段)

どんより梅雨らしい空が広がっています。現場近くの幼稚園では
子どもたちのかわいいカエルの合唱の歌声が聞こえ、
田んぼでは
リアルカエルの合唱が響いております。

さて、梅雨の鬱陶しさにも負けず、四国山脈を望む家の工事は
着々と進んでおります。

玄関も出来上がりました。木材はリビングと同じブラックチェリーです。
この後、横にベンチを設置する予定です。

壁の断熱工事が完了し、内部壁の下地の施工しました。
この後、石膏ボードを張り、クロスまたは左官仕上げを
していきます。

施工の難しい、回り階段も美しく仕上がりました。
回り階段の部分も5分割にするとゆとりが生まれます。
階段の蹴上げの寸法(1段の高さ)は標準で21cmですが、今回は緩やかな
階段にするために19.6cmにしています。よって一般的には13段の階段が
多いのですが、今回は14段になっています。
実際に昇り降りしてみましたが、子どもの歩幅でも上がりやすそうな
緩やかな階段です。

ただでさえ施工が難しい階段ですが、さらに回り階段の部分
(上部写真の赤丸)は
大工さんの熟練した技が凝縮されているんです。

赤丸部分を拡大してみました。
この部分は短い幅木をつけるよりも幅木なしの方がスッキリするとのことで、
柱を切り欠いて段板を差し込んでいます。
簡単に書きましたが、かなり難しい施工で、大工さんの腕の見せ所です。

“幅木”には主に以下のような役割があります。

  1. 床の付近の壁を掃除機や台車などの衝撃から守る
  2. 床と壁との取り合い部(接する部分)の仕上工事の不手際になりがちな部分を隠す
  3. 見た目にすっきりとした印象を持たせる

この2番目に“隠す”とありますが、取り合い部を幅木で“隠さず”、綺麗にスッキリと
仕上げるのは、
なかなか玄人でも面倒で手間がかかり技術的にも難しいのです。
その難所を大工さんはがんばってくれました。
木とともにだいぶ神経も削った職人技!一切の隙間なく、美しい仕上がりです。

大工さんの職人技はまだまだありますので、別の機会にご紹介したいと思います。