西条へ引っ越してきて、あっという間に10年が経とうとしています。
この10年で、地元のさまざまな文化に触れてきました。やはりに衝撃的だったのは、私の地元にはない
「西条祭」の文化です。当初は、お祭りのために学校や会社、まさかの病院までがお休みになるという事実に、
目を丸くしたものですよ。
時が流れ、祭りの日のだんじり渋滞にもすっかり慣れました。今では、キンモクセイの香りと、遠くから聞こえる
太鼓の音をセットで感じると、「ああ、今年も西条の秋が来たな」と、じんわり感じるほどです。
そんな西条文化に染まりつつある私ですが、実はまだ未経験のものが一つありました。
それは「いもたき」!!
いもたき会場があることは知っているんです。知ってはいたのですが、外で鍋を囲むという文化がなかった
私にとって、それはなぜか「なかなか手が出せないグルメ」の枠に入っていたのです。

そして先日、空にぽっかり浮かんだ綺麗な満月に誘われて、えいやっと初めて「いもたき」を体験しました!
「…おいしい!」
想像していたよりもずっと優しく、深い味わい。一口食べた瞬間、約10年近くこの美味しさに触れてこなかったこと
に超絶後悔しました。鶏ベースの醤油だしは、あっさりしているのに旨味がとても深く、普段は出汁の評価に厳しい
我が子も「これは最後まで飲み干せる!」と、いつになく熱心なコメントを残してくれました。

「モチコのひとりごと」は、私と同じように県外から西条に来られた方も読んでくださっているそうです。
だからこそ、そっとお伝えしたい。
「いもたき、想像よりずっと優しくて、美味しいですよ。」
今週は、お鍋に入った里芋みたいに、まあるい満月が浮かんだ、実に穏やかな夜でした。

