終業式の日、子どもが「先生からプリントもらったよ」と手渡してくれたのは、
1学期の出来事が書かれたお便りだった。
B4の紙にびっしり書いてくれていることにも驚いたが、それが“手書き”
だったことに感動!!!私はこのお便りを3度読み返した。
1度目は内容を把握するため。2度目、3度目は先生の字をじっくり眺めながら。
これがパソコンで作られたお便りだったら1度だけしか読まなかっただろう。
そして、力強く元気に書かれた先生の文字からは先生の性格を垣間見ることができ、
行間からは先生と子どもたちの日々のやりとりが想像できた。
文字を書くことがめっきり減った昨今だが、
やはり手書きはいい!
伝わるものの量と質が違うような気がするのだ。
デジタルな時代だからこそ手書きのよさが浮き彫りになるかもしれない。
建設業もIoT時代の波に乗ってか、手書きで製図をすることはほとんどなくなり、
CADが主流になった。宮嶋組にも製図台があったが、今はもうない。
私は設計の知識がないので、製図ができる社員に手書きで図面を書くメリットを聞いてみた。
CADだと拡大縮小がマウスひとつで簡単にできてしまうため、スケール感がつかみにくい。
手書きなら実際の設計物のスケール感をつかみながら設計ができるというメリットがある。
そして、「考えながら設計する」という習慣が身につきやすい。線を引くにしても一本一本
太さも考えながら引いていかねばならないし、間違えたら消しゴムで消すという作業の
繰り返し。労力がかかるような作業の先には自然と設計図の仕様を考えながら設計する
ことが身につくというメリットがあるらしい。
なるほどー。手書きのメリットはたくさんありそうだ。
そういえば、以前、設計士さんと間取りの打ち合わせをするときに、私の要望を聞きながら
さらさらと間取り図をフリーハンドで描いてくれたことがある。「ここはもっとこうしたい」
というと、消しゴムで消し、ササッと書き直す。あーでもない、こーでもないと試行錯誤しながら、
周りは消しゴムのカスだらけになったが、思考と会話を止めることなく書き直し続ける
設計士さんの手元はまるで魔法のようだった。
この作業をパソコンの画面を見ながらできるのかもしれないが、
手書きの作業だったからこそ私は帰宅後も記憶に残っていたように思う。
CGで描かれた美しい絵もいいが、油絵や水彩画を鑑賞したときの方が私は記憶に残る。
筆のひとつひとつの運び方やどれだけ時間をかけて描いたのか想像しながら鑑賞する
からだろうか。
あと、頭の中がごちゃごちゃしたときに、一旦、手書きで紙に
書き出すという方法もオススメ。意外と小さなことで
あれこれ悩んでたとか、優先順位がつけやすくなるという
メリットも。
たまには手紙でも書いてみようかなと思ったモチコでした。