水の恵み

田植えのために用水路には綺麗な水が流れる季節になった。
綺麗な水がジャンジャン流れている様子を見るにつけ、
「石鎚山系の山々ありがとう」と言いたくなる。

田植えの話を従妹としていたら、大分県竹田市に<音無井路十二号分水>
という面白い円筒分水があることを教えてくれた。

西条のように水が豊富な地域とは対照的に水源の確保が難しい地域もある。
そこで江戸時代中期に公平に水を分配することを目的に、
このようなユニークな形の円形分水施設が造られたそうだ。

人の知恵と土木の力で水源を確保し、今はこの地域の観光名所となり、
土木学会によって、近代土木遺産(Cランク)に指定されている。

 

さて、我が家の周りの田んぼも田植えも準備万端。
この時期は、まるで水の上に建っているような感覚になる。

ソファに座り、視線を下げれば、田んぼに溶け込んでいくような不思議な感覚。

朝方は風がピタリと止まり、地上のものを綺麗に映し出す水鏡に
しばし時を忘れる。
観察隊2号は遠くの車を見ては、「車が逆さまに走ってる~」と
視線はすっかり水面にあるようだ。

これから苗が植えられ、緑がだんだんと濃くなる様子を
眺めるのも楽しみ。
1年を通して、いろんな表情を持つ田んぼが近くにある風景というのは、
田舎の贅沢だと思う。