縁側

「サザエさん」のエンディングでワカメちゃんとタラちゃんが
縁側に
干していた布団の上でゴロゴロ遊んで、そのまま
寝ちゃうシーンが
ある。

わかるよ、その気持ち。縁側あるあるですもん。

私も小さい頃、祖母の家の縁側でゴロゴロしていた。
サザエさん家のタマのようにゴロゴロ、ゴロゴロ。
猫はその家の一番快適な場所で寝るというけれど、
子供だってそれを本能で知っている。

それにしても縁側というのは、ファジーな場所だ。
あるときは畑仕事の合間の一服する場所として、
あるときは洗濯物が投げ込まれる場所として、

あるときは井戸端会議の場所として、
あるときは子供たちの遊び場として、
いろんな役割を担っている。

外のようで完全に外ではなく、内のようで完全に内ではなく・・・
外と内とを曖昧にかつ
心地よく繋ぐ場所。
みんなが縁側に引き寄せられていたように思う。
白黒はっきりとした欧米文化とは違い、この曖昧さというのが
日本人の気質に合っていたのかもしれない。

こういった曖昧な「遊び」の空間は暮らしを豊かにする。
サザエさん一家がいつも笑顔でいっぱいなのは
縁側のおかげなのかもしれないな。(適当な想像)

車のハンドルにも「遊び」が重要なように
心にも暮らしにも「遊び」を!

 

 

ちなみに祖母の家の縁側は上の写真のように「切れ目縁」といって、
建物に対して直角に板を並べるタイプだった。
昔は縦引きのノコギリがなかったので、薄い板をつくることが難しかったため、
床板が厚いものが普通だったらしい。
サザエさん家のように建物に対して平行に板を張るタイプは「くれ縁」という。

通路でありながら、みんなが集う空間がある家はなんて贅沢なんだろうと
オトナになってから思うようになったモチコでした。